東洋医学というもの

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新型コロナウイルスの影響で、我が国のみならず、世界が未曾有の危機に陥っている中、当院もその影響を受けている真っ最中です。

 

日中でも、余裕のある時間が増えてきたので(ちゃんと営業してますよ!)、ここでかつて学んだ事を復習するべく、鍼灸学生の時に使用していた教科書を読みなおしています。

当院は鍼灸整骨院ですが、どちらかというと「柔道整復師」である時間の方が長かったこともあり、整骨院としてのカラーが強いです。

ただ、最近は鍼灸・特に鍼(はり)を使う事が増えてきていることと、通常行っている施術の効果をさらに引き出すために、再度、東洋医学の力をupさせようと考えているところです。

 

鍼灸院では、基本的に病院で行われるような画像や血液を採取した検査などは行われず、全て対面による聴取や観察、触診によって検査が行われます。(望・聞・問・切、で四診とよばれます)

そこから総合的に導かれた診断(「証」を立てる)をもとに、鍼や灸を用いて施術を行っていく方法が基本となります。

 

そもそも、東洋医学中医学)は、その歴史の長さから、遡れば膨大な資料があるのですが、教科書は基本的な事が書いてあるので、鍼灸施術の全体を「広く浅く」見るような感じになりますが、それでも上手く書いてあるなと思います。

学生時代は、どうしても「国家試験に受かる」というハードルがあるので、とにかく知識をたくさん放り込むという手段に出ざるを得ないのですが、免許を取ってから読み直してみると、また改めて色々な発見があるものです。

これは、鍼灸師になった直後よりも、臨床における経験値が増え、その症状についてのイメージがつきやすく、それが教科書と結びつきやすくなったからだろうと思います。

 

東洋医学は経験医学」とよく言われますが、なるほど確かにそうなんだろうと感じるようになりました。過去に先人達が築き上げてきた膨大な知識と、自分の経験を結び付けて施術に取り組む。

鍼灸とは面白いもので、同じ施術者・同じ患者さんでも、その日その時の状態によって処方が変わることがあります。また、施術者が変われば、当然処方は変わってきます。

臨床とは水物で、その一回一回が勝負である、とも言えます。それが故に、東洋医学は現代医学と比べて、一貫性や再現性が乏しいという面も持ち合わせています。

 

ただ、教科書を読みなおしていると、東洋医学は医学の基本なんじゃないかな?とも思い直してきました。

かつて、まだレントゲンや血液検査などがなかった時代は、先ほどの「望・聞・問・切」でしか、判断することができなかったわけですから。その手法を、独特の東洋医学という考え方で引き継いできた施術法が、いわゆる鍼灸施術かなぁと考えています。

これに湯液(漢方)が加われば、より高い効果が得られるのかもしれませんが、それは我が国の制度上、ハードルが高いですね・・・。

 

当院の施術も、開業時と比べて、ずいぶんと変化してきています。

今後もさらに効果を得やすくするために、東洋医学鍼灸施術に力を入れていきたいと考えています。

 

 

鍼灸ぐらびあ (MAIA STARSHIP)

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